消化器内科について
消化管である食道、胃、十二指腸、小腸、大腸に加え、胆のう、膵臓、肝臓といった消化・吸収に関わる消化器全体を専門的に診療しています。消化器疾患は症状の内容が共通している場合が多く、深刻な疾患が軽い症状しか現わさないこともありますので、専門性の高い検査を受ける重要性が高いという特徴を持っています。当院の院長は大学病院や救急病院で年間千件程度の内視鏡検査をはじめ、CT検査、超音波検査などの画像診断を数多く行ってきており、手術も含めた豊富な治療経験を持っています。こうした経験をもとに症状や状態に応じて患者様の心身へのご負担を最小限にした精密な検査を行って診断しています。
こんな症状があったら消化器内科を受診してください
- げっぷ
- 呑酸(酸っぱいげっぷ・酸っぱいものや苦いものが上がってくる感じ)
- 吐き気
- 嘔吐
- 吐血
- のどのつかえ・違和感
- 胸やけ
- 胸痛
- 肋骨の下の痛み
- みぞおちの痛み
- 胃もたれ
- 膨満感
- 食欲不振
- 腹部の痛み
- 下腹部の痛み
- 便秘
- 下痢
- 下血・血便
など
主な消化器症状と考えられる疾患
げっぷ
食事と一緒に飲み込んだ空気が出るものですから、食後や炭酸飲料を飲んだ後に出る場合は問題ありません。ただし、頻繁にげっぷが出る、食事からかなり時間が経っているのにげっぷが出るといった場合には、疾患などがあって胃の機能が低下している可能性があります。胃がんの症状として生じることもありますので、げっぷが気になるようでしたら早めにご相談ください。
症状から考えられる病気
呑酸(どんさん)
酸っぱいものや苦いものがのどや口に逆流してくる状態が呑酸です。胃の内容物が逆流して食道粘膜にダメージを生じる逆流性食道炎の主な症状であり、非びらん性胃食道逆流症でもよく起こります。
症状から考えられる病気
吐き気
嘔吐しそうな感覚であり、みぞおちから腹部に起こる不快感です。食欲不振やめまいをともなうこともあります。幅広い消化器疾患で起こる症状ですが、消化器以外の疾患によって起こることも珍しくありませんし、妊娠、薬の副作用、乗り物酔いなどによって生じる場合もあります。
症状から考えられる病気
慢性胃炎、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症、急性胃炎、虫垂炎、食道裂孔ヘルニア、肝臓の病気など
嘔吐
胃の内容物を吐くことです。暴飲暴食で起こることもありますし、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の副作用として起こる急性胃炎、細菌やウイルス感染による腸炎、虫垂炎、通過障害など幅広い消化器疾患で生じます。また、片頭痛や脳卒中などでも嘔吐を起こすことがあります。
症状から考えられる病気
逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症、急性胃炎、慢性胃炎、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、急性腸炎、虫垂炎、食道アカラシア、腸閉塞、腹膜炎など
吐血
吐き気があって口から血を吐いてしまう状態です。食道・胃・十二指腸に潰瘍などがあって出血を起こしている場合、早急に内視鏡による止血処置が必要です。出血が多いと頻脈や立ちくらみなども起こります。出血しているのが胃や十二指腸であれば吐血は黒っぽく、食道の場合は鮮やかな赤い血液を吐血します。また、消化器疾患以外では肺や気管支からの出血による吐血があり、この場合は喀血と呼ばれます。
症状から考えられる病気
嚥下困難(のどのつかえ)
食事などを飲み込むのが難しい状態です。ストレスによって起こることが多い症状ですし、加齢によって嚥下機能も低下しますので高齢になると起こりやすい症状です。ただし、食道疾患によって起こっていることがあり、その中でも食道がんは進行や転移しやすい傾向がありますので特に早期発見が重要な疾患です。急に嚥下困難が起こりはじめた場合や、痛み・異物感をともなう場合は早急に消化器内科を受診してください。
症状から考えられる病気
のどの違和感
のどがチクチクする、異物があるように感じる、かゆみや圧迫感がある、飲み込む際に引っかかる、といった違和感がある状態です。耳鼻咽喉科領域の疾患が隠れている場合がありますが、耳鼻咽喉科で異常が見付からない場合には、消化器疾患によって生じている可能性があります。特に患者数が増加している逆流性食道炎では、初期症状としてのどに違和感を生じる場合がありますのでご相談ください。
症状から考えられる病気
胸やけ
胸から上腹部の範囲に焼けるようなムカムカした灼熱感を生じている状態です。原因疾患では逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症が最も多く、胃炎やストレスなどによって生じることもあります。繰り返し起こる、あるいは慢性化している場合には疾患が疑われますので早めに消化器内科を受診してください。
症状から考えられる病気
胸痛
食道や胃、心臓の疾患によって生じることが多い症状です。胸が締め付けられるような痛みがある場合には心疾患が疑われますが、心臓に異常がない場合には逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症などの上部消化器疾患が疑われます。
症状から考えられる病気
みぞおち(心窩部/しんかぶ)の痛み
胸骨の下のくぼんだ部分に痛みが生じています。この周辺には胃、十二指腸、胆のう、膵臓などがあり、原因疾患はさまざまです。徐々に痛みが強くなる、食後に痛む、食前に痛むなどの特徴によってある程度疾患の推測はできますが、適切な治療のためには内視鏡などによる検査が必要です。なお、みぞおちに急な痛みが起こった場合は早急な治療が必要な胆石症、急性膵炎が疑われるため、できるだけ早い受診が必要です。
症状から考えられる病気
急性胃炎、慢性胃炎、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石症、急性膵炎など
肋骨下(季肋部/きろくぶ)の痛み・右の肋骨の下の痛み
胆のうが感染して炎症を起こしている胆のう炎や胆石症が疑われ、早急な受診が必要です。
左の肋骨の下の痛み
急性膵炎、慢性膵炎などが疑われ、早急な受診が必要です。
胃もたれ・膨満感
胃の中にいつまでも食べ物が残っているように感じる、胃が重い、胃がふくれて張っていると感じている状態です。疾患などの影響で蠕動運動や胃粘膜の弾力性が弱まるなど、消化機能が低下することで生じています。食べすぎなどによる一時的なものではなく、慢性的に胃もたれや膨満感がある場合には早めに消化器内科を受診してください。
食欲不振
ストレスなどでも起こりますが、胃をはじめとした上部消化管の疾患でも生じやすい症状です。特に長期間続いて体重が減っている場合には、深刻な疾患が隠れている可能性がありますので、できるだけ早くご相談ください。
腹部の痛み
小腸・大腸・腎臓・尿路などの疾患によって生じます。最初に痛みを感じた部位、痛みの強さ、痛みの内容などによって疾患がある程度推測できるため、受診の際に医師にお伝えください。
腹部の激しい痛み
胃・十二指腸の穿孔、腹膜炎、腸閉塞などが疑われ、一刻も早く適切な治療を受けないと命に関わる可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。
下腹部の痛み
大腸、子宮・卵巣、膀胱などの疾患が疑われます。特に増加傾向にあるのは過敏性腸症候群による下腹部の痛みです。当院では消化器以外の疾患の可能性も視野に入れた診療を行っており、婦人科の診療が必要な場合には連携している医療機関をご紹介して、速やかに適切な検査・治療を受けていただけるようにしていますので、安心していらしてください。
便秘
腸の蠕動運動をはじめとした機能低下、大腸疾患による狭窄から通過障害などを生じて、便が大腸に長くとどまってしまう状態です。必要以上に水分が吸収されて便が硬くなって排便が困難になり、腹痛をともなうこともよくあります。ウサギの糞のように小さくて丸い便が少量しか出ない場合には、便秘型の過敏性腸症候群が疑われます。慢性的な便秘があると、痔や大腸疾患の発症・進行リスクが上昇してしまいますので、早めにご相談ください。
下痢
腸の蠕動運動が過剰になって消化物が腸を速く通過してしまうと下痢になります。また、食中毒などの感染成長疾患でも下痢を起こします。突然、強い腹痛が起きて激しい下痢になることを繰り返す場合には、下痢型の過敏性腸症候群が疑われます。
下血・血便
食道、胃、十二指腸、小腸、大腸で出血した血液が、便に混じって出ている状態です。食道、胃、十二指腸という上部消化管で出血している場合は黒いタール便が出ますが、出血している場所が肛門に近くなるにつれて赤みが強くなります。血液以外に粘液も混じる粘血便などを起こすこともあります。また、上部消化管から出血している場合、吐血をともなうこともあります。タール便があって、吐血や激痛をともなう場合には、上部消化管に穴が開く穿孔を起こしている可能性がありますので、一刻も早く医療機関を受診してください。 なお、便潜血検査は、目で見てわからないほど微量の血液が便に混じっていないかを調べる検査です。